宗派を超えて
9 月 3rd, 2005 by 番記者O
バグダッドで8月31日、イスラム教シーア派の巡礼者約1000人が死亡した事件で、現場近くのスンニ派の若者多数がおぼれる人々の救助に向かい、一部が命を落としていたことがわかった。事件はスンニ派武装勢力の攻撃が契機とされ、両派の憎悪が高まっているが、一方で命がけで救助に当たったスンニ派の若者の存在が共感を呼んでいる。
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「ひと」と、「ひと」。
その絆は宗派を超えて・・・。
それにしても、事件の真相は?
最初に「自爆テロ犯がいる」とのデマをきっかけにパニックが起きたのは、橋の手前にあるスンニ派のモスク(礼拝所)付近。そこから橋上で身動きのとれない群衆に混乱が拡大し、大勢が川に飛び込んだ。
橋の手前はアダミヤ地区と呼ばれるスンニ派地区。朝日新聞バグダッド支局イラク人助手によると、事件直後、モスクが拡声機で「泳げる者はすぐ川へ。兄弟姉妹を助けよ」と呼びかけた。
これを聞いたスンニ派の高校生オスマン君(19)はすぐ川へ駆けつけた。目撃者によると、オスマン君はおぼれる男性3人を助けた後、4人目の女性を見つけた。その段階で疲れ切っており、ためらっている様子だったが、再び川に飛び込んだ。しかし、もがく女性にしがみつかれたまま、力尽きたという。
卒業試験を控え、大学を目指して猛勉強中だった。父親(51)は「オスマンは英雄だ」と泣き叫んでいたという。
住民の救助活動を現場で知ったシーア派政府高官は地元テレビで、「事件によりイラクは分裂の危機を深めた。しかし、アダミヤのスンニ派住民の英雄的行動は、イラクを救うだろう」とたたえた。
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