誤った遺体情報を「わな」と疑い殺害?
11 月 3rd, 2004 by 奈菜
【カイロ=嶋田昭浩】イラクで拉致された香田証生さんが三十日夜(日本時間三十一日未明)、遺体で発見されたが、日本政府が同日朝、別の遺体をもとに「香田さんとみられる遺体発見」の情報を流したことを受け、犯行グループが“罠(わな)”が仕組まれていると勘違いして殺害時期を早めたとの指摘が出されている。また、香田さんがイラク入国前、イスラエルに滞在していたことから「対米協力者」と誤解し、星条旗に包んだとの見方もある。
「星条旗に包まれていたのは『米軍への協力者(を葬った)』という意味だ。これまでも、何人かのイラク人の遺体が星条旗とともに見つかっている。香田さんの場合、イスラエルを訪問していたことが、犯行グループにそう思わせた理由だろう」と話すのはバグダッド大のアブダルジャバル・アハメド教授だ。
さらに、犯行グループの誤解を解くこともできず、人質を死亡させた日本側の「失敗」について教授は「最大のミスは小泉首相が犯した。フランスは自国民が人質となった時、外相らをエジプト、ヨルダンなど中東諸国に派遣し交渉させた。しかし、小泉首相は熟慮せず、すぐに挑発的な声明を出してしまった」と指摘した。
一方、エジプトの有力週刊誌の編集幹部、ハムディ・レゼク氏は「(三十日の)日本政府のミスが殺害の理由になったとは思わない。犯行グループは『米、英、日本人は殺す』という明確な戦略を持っているからだ」と強調する。
その上で「日本政府の誤った声明により犯行グループが混乱し、日本政府が何か罠を仕掛けていると考えた可能性はある。それが、小泉首相の発言が引き起こした怒りを助長させ、殺害を早めさせた恐れはある」と語った。
星条旗についてレゼク氏は「星条旗に包まれた外国人の遺体が見つかったのが初めてとすれば、ザルカウィ派が最近の声明で明らかにしたように(アルカイダの指導者)ビンラディン(容疑者)への忠誠を示したともいえる。あくまで『第一の敵は米国』と言いたいのだろう」とみる。
しかし、エジプト紙の編集長、ムスタファ・バクリ氏は「ザルカウィがまだ生きているかどうか疑問だ。米国は、すべての問題を彼のせいにさせたい。アルカイダに共感を抱くイスラム組織が、ザルカウィの名を象徴として借りているだけではないか」と分析し、ザルカウィ幹部の生存に疑問を投げ掛けている。
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