言葉を失う大分教員採用のコネとカネ
「教員採用はコネとカネ?」「広がる大分教員採用のコネとカネ」と記してきましたが、もはや何のために採用選考を行っているか全くわからない状況になっております。
大分県の教員採用をめぐる汚職事件で、二〇〇七、〇八年度の小学校教員採用試験に合格した八十二人のうち、四十人以上が、点数を水増しして改ざんされた試験結果に基づき合格していたことが六日、関係者の話で分かった。逆に、実際は合格ラインに達していたほかの受験者が、点数を減点されて不合格になったケースもあるという。
教職のいすをめぐる大規模な不正行為が、県教委上層部も含め組織的に繰り返された疑いが濃厚になった。
教員採用をめぐっては、以前から「コネとカネが物を言う」とのうわさが絶えず、関係者は「県教委の腐敗の実態を裏付けるもの。大分ではこれまで、口利きやわいろを介して相当数の教員が不正採用された可能性が高い」と指摘している。
県教委によると、〇七年度の採用試験は四百八十九人が受験し、四十一人が合格。競争倍率は十一・九倍だった。〇八年度は四百七十二人が受験し、四十一人が合格。倍率は十一・五倍だった。
関係者の話では、改ざんデータで合格したのは、〇七、〇八年度とも、全合格者の約半数かそれ以上という。収賄容疑で逮捕、起訴された県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)らが、口利きを依頼された受験者の点数について、実際は合格ラインに届かなくても、一次、二次の各段階で加点したり、本来は合格するはずの受験者の点数を減点するなどの操作をしたらしい。
口利きの依頼は毎年、県教委関係者に多く寄せられるといい、依頼元は、教職者のほか、政治家などの”有力者”も含まれていたという。
一連の事件では、ほかに当時の県教委参事兼教育審議監で由布市教育長、二宮政人容疑者(61)が収賄容疑で逮捕された。贈賄容疑でも小学校長ら三人が逮捕、うち二人が起訴されている。
コネ、カネなしなら減点も―。教員採用試験をめぐる汚職事件の捜査が進むにつれ、試験制度が完全に形骸(けいがい)化し、口利きとわいろにむしばまれていた実態が明らかになってきた。
関係者によると、直近の二〇〇八年度の小学校教員採用試験における不正の手口はこうだ。
当時、県教委義務教育課の人事班の総括だった江藤勝由容疑者(52)は一次試験の終了後、採点結果を集計した成績一覧表を作成。これを上層部に提出すると、口利きなどによって、不正工作を依頼されている受験生に「印」が付き、江藤容疑者の手元に一覧表が戻ってくる。
同年度、不正工作を依頼されていたのは二十人前後。江藤容疑者は「印」が付いた人物の得点を加点し、合格できるよう便宜を図っていたという。
一次、二次の両試験でそれぞれ十五人ほどが加点を受けたとみられる。特に、試験の出来が悪かった数人は一次、二次の両試験で加点を受けた。江藤容疑者は「加点によって、実際には合格していたはずの十人ほどを不合格にした」と話しているらしい。
改ざんはこれだけにとどまらない。「加点ばかりすると、不自然に平均点が上がり、怪しまれる」として、依頼を受けていない受験者の得点を減点したケースもある。このような巧妙な手法がいつごろから行われていたのか、捜査機関は強い関心を寄せている。
前年度の試験でも同じような構図で不正が行われた可能性が高く、この試験をめぐり収賄容疑で逮捕された当時の県教委参事兼教育審議監で由布市教育長の二宮政人容疑者(61)は、江藤容疑者に十数人の具体的な名前を挙げ、合格させるよう指示したという。試験は一次、二次合わせて千点満点で、五十点以上の水増しを受けた受験生もおり、江藤容疑者は「(指示があれば)零点(の項目)でも加点した」と話しているという。
関係者は「何でもあり。めちゃくちゃだ。試験制度が全く機能していない」と憤る。江藤容疑者が作成した〇八年度試験の成績一覧表をチェックする立場にあった三人の上司は「全く聞いたことのない話だ」と、いずれも関与を否定している。
二〇〇七、〇八両年度の小学校教員採用試験で、合格者の半数以上が”不正合格”だったことが六日、明るみに出た。合格の実力があった人たちの輝くはずだった未来は、本人が気付かないまま不当に奪われた。「許せない」。教員を志し、何年も試験に挑戦してきた人から怒りの声が上がっている。
大分市内の小学校で臨時講師として勤務し、数年前から採用試験に挑む男性。点数を減点されて不合格になった事例もあると聞き、「子どもを育てながら一生懸命に挑戦する人もいる。受験者の人生を何だと思っているのか」。
県教委によると、受験者が申請すれば試験結果は開示される。この男性は以前から「二次試験(模擬授業や面接など)の点が不自然に低い」と感じていた。不合格の人たちと結果を確認しあうと、二次の得点はみんなほぼ同じだったという。「面接の評価基準を明確にするなど、(採用試験を)変えてほしい」。
教員を目指す大分市の別の三十代男性も「(不正採用は)長年言われてきたこと。ウミを出し切ってほしい」と訴えた。
学校に子どもを預ける保護者にも不信感が広がる。小学二年生の子どもがいる大分市内の男性(44)は「食の安全や年金など当たり前のことが守られなくなっている世の中だが、まさか先生の世界までもという感じ」。妻(37)も「県教委は公のために働いているのではないのか」と語気を強めた。
「聞いた事ない規模」文科省
文部科学省教職員課は「ここまでの規模の不正合格があったとは、これまで聞いた事がない。組織的だったのか」とした上で「試験制度自体は全国であまり変わりはないので、運用に問題があったのではないか」と話している。
不正合格者の採用取り消しや、本来は合格するはずだったのに減点など試験結果の改ざんで不合格になった人への救済措置については「事実関係が明らかになってから、県教委で判断してもらう」としている。
「襟をただして由布市を再建」臨時議会で市長
由布市の首藤奉文市長は七日、臨時市議会で市教育長の二宮政人容疑者(61)が収賄容疑で逮捕されたことを報告。「副市長、教育長を欠く非常事態となった。襟(えり)をただし、一連の事件を教訓に市の再建に全力を挙げたい」と決意を示した。
首藤市長は報道陣の質問に、「市として(二宮容疑者の)弁護士と連絡を取り、早いうちに本人と接見して逮捕事実や辞職の意思などを確認したい」と述べた。
〔参考〕asahi.com
大分県の小学校教員の採用を巡る汚職事件で、収賄容疑で再逮捕された県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)が、県警の調べに、今年度の採用試験でも「約20人を合格させるよう上層部から依頼され、15人くらいに加点した」と供述していることが分かった。「得点を水増ししなくても合格した受験者も4、5人いた」とも供述しているという。今年度の合格者41人のうち、県教委幹部から口利きのあった受験生が半数を占めていたことになり、不正採用がはびこっている疑いが濃厚となった。
県教委によると、今年度の小学校教員の採用試験は昨年7月に1次の筆記試験があり、472人が受験。9月にあった面接などの2次試験には117人が進み、41人が合格した。
江藤参事はこの試験で、佐伯市立蒲江小学校長、浅利幾美被告(52)=贈賄罪で起訴=から長男と長女を合格させるよう頼まれ、現金など計400万円相当を受け取ったとして、収賄罪で起訴されている。長女と長男はともに合格し、今年4月から勤務している。
江藤参事の供述によると、1次と2次の合計は1千点満点で、合格ラインは約620点だった。1次試験の終了後、受験者全員の得点表を上層部に見せたところ、「合格ラインに入れろ」と約20人の名前に印を付けて得点表を返されたという。この中に浅利校長の長女の名前もあった。
江藤参事はうち約15人について1、2次の点数を加点したが、100点以上加点した受験者も2人いたといい、中には実際の点数が400点台で合格させた受験者もいた半面、長女を含む4、5人は合格ラインに到達しており、加点せずに合格したという。
一方で、不正採用があまりに広がっていることを懸念し、発覚を恐れた上層部からの指示を受け、口利きされた受験生のうち2人は1次だけ加点し、2次で落とす工作も行ったという。また、加点ばかりでは全体の平均点が高くなって怪しまれるため、合格ラインより少し上回っていた約10人の受験者の点数を減点する調整も行ったという。
江藤参事は「この年の採用試験では、上層部から縁故のない受験者にも配慮してくれと指示された。以前はもっと縁故採用が多かった」と背景事情を説明しているという。
〔参考2〕大分県教育委員会「教員採用選考試験を受験される皆様へ」
教員採用選考試験を受験される皆様へ
この度の教員採用選考試験にかかる不祥事は、教育行政の根幹にかかわることで、断じてあってはならないものであり、受験される皆様の信頼を損なったことに対し、心からお詫びを申し上げます。
このような状況の中、受験される皆様にとりましても、不安な日々と思います。県教育委員会としましては、二度とこのようなことが起きないよう、職員に対して公務員倫理を徹底するとともに、公平・公正に万全を期すために、現在、採点、集計作業を中心に、一連の試験事務を抜本的かつ早急に見直しているところであり、今回の試験から実施することにしています。
なお、来たる7月19日(土、20日(日)に実施されます、第1次試験につきましては、実施要項に示した日程及び試験内容に変更点はありませんので、念のため申し添えます。
受験される皆様には、大変ご心配をおかけしますが、体調に十分ご留意されて、頑張って頂きますよう祈念しております。
平成20年7月1日
大分県教育委員会教育長小矢文則
無茶言うな。
今回の試験、校長以下全員再受験。
教育委員会は解散。
コメント by 奈菜 — 2008 年 7 月 8 日 @ 11:57 AM
これでは、誰が正直者か分かりませんからね。
エントリーしていませんが、管理者登用試験でも同様のことがあるとか。
実際のところ、一番に謝るべきは子どもたちに対して。
教育委員会が子どもたちに対して何も表明していないのが不可解。
誰を信じろ、と言うのでしょ?
大分全県全学校はいうまでもなく、他県学校にも最低限カウンセラー配置くらいした方が。
その効力は分かり得ませんが。
コメント by 番記者O — 2008 年 7 月 8 日 @ 12:21 PM