首相の辞任会見に思う(中国新聞)
「総理の会見は国民には『人ごと』のように聞こえる。この辞任会見も」。一日夜、福田康夫首相の辞任会見で、そんな質問をぶつけた。首相は「私は自分を客観的に見ることができる。あなたとは違う」と気色ばんだ。生意気な質問だという指摘を受けるかもしれないが、あえて聞いておきたかった。
備忘録その2・・・。
昨年十月、米民主党のオバマ上院議員が大統領候補指名を争う中、「米国は核兵器のない世界を追求する」と発言した。首相はどう感じたか、夕方の「ぶらさがり会見」で尋ねた。返答は次のようなものだった。
「そりゃ、そういう世界が実現すれば、それにこしたことはないと思います。まあ、いずれにしてもですね、核兵器を保有する、その競争をするような世界では、あまりよくないと思いますけどね」。被爆国の首相の言葉としては、あまりに物足らなく感じた。
福田首相は確かに自身の置かれた状況を客観視し、慎重に発言する人だと思う。しかし、それだけでは務まらないのが首相の重責だろう。国民に自身の明確な意思を伝える必要に常に迫られている。辞任会見を聞きながら過去の取材経験がよみがえり、どうしても聞かずにはおれなかった。(東京支社・道面雅量)
〔追記〕(4日6時記す)
イザ!「あなたと違う!福田マジギレさせたあの記者誰?」
「他人顔」とも揶揄された福田康夫首相を、辞任会見の最後の質問で切り崩した地方紙記者に注目が集まっている。首相は激怒したものの、官邸記者特有の“間合い”にとらわれない乾坤一擲(けんこんいってき)の質問は、首相の“素”の部分を引き出した。
■「ひとごとのように…」
「『ひとごとのように』とあなたはおっしゃったけどね、私は自分自身のことは客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです!」。福田首相は1日の辞任会見の終了間際、国民注視の生中継ということも忘れて気色ばんだ。
この答えを引き出したのは、広島県の「中国新聞」の男性記者(37)が質問した「総理の会見が国民にはひとごとのように聞こえる」という言葉だった。
記者は広島県内の支局などを経て昨年3月、東京支社報道部に政治担当キャップとして着任した。他の地方紙同様、政治担当記者は実働2人と少なく、通常は「政治キャップ自ら、永田町や都内の現場を取材で走り回っている状態」(北村浩司・東京支社報道部長)という忙しさだという。
■見下し発言の根拠は…「?」
官邸のほか、永田町の各記者クラブも掛け持ちしているため、いずれのクラブにも滞在時間は短く、官邸担当だった全国紙記者も「1度も見たことがない」というほどの存在感だ。それだけに、福田首相が記者の顔を知っていた可能性は低い。
会見直後の朝日新聞の取材に、記者は「首相の語り口を聞いていたら、まさに『ひとごと』という言葉通りだなと感じた」と語り、これをキーワードにあえて最後の最後に厳しい質問を狙ったことを明かした。
■「疑問、率直に聞いただけ」
記者には2日朝から取材依頼が殺到し、「計6社から依頼を受けている」(北村部長)状況に陥り、ただでさえ要員が少ない同支社は大騒ぎ。「社内の反応もお伝えできる状態ではない」(同)というテンヤワンヤとなった。
取材する側から“される側”となったが、政局が続く間は忙殺される日々が続くため、記者本人が取材に応じる時間はまったくないという。東京支社は、記者のコメントとして「これまでの取材や、会見を聞いていて疑問に思ったことを率直に聞いただけ。それ以上でもそれ以下でもありません」と発表している。
これ見てましたが、そうとう気分を害されたのでしょうね。
それでも記事を載せるあたりは偉いのかも。担当記者。
コメント by 奈菜 — 2008 年 9 月 4 日 @ 11:23 PM
正直、質問の有効性については当初疑問に感じたのですけどね。
理由が後付けか否かは別として、有効だったかなぁと思っております。
取材依頼に対しても、この記事は有効かな、と。
実名を出して、いきさつを記すことはなかなか出来ないでしょうね。
毎日は記名を原則としていますが、最近読んでいないので興味がありません。
コメント by 番記者O — 2008 年 9 月 5 日 @ 11:45 AM