ナカちゃん 死す
二十七日午後六時十分ごろ、阿南市那賀川町赤池の那賀川の中州に「ナカちゃんらしき死がいが打ち上げられている」と、市民から阿南消防本部に通報があった。同本部から連絡を受けた獣医師が顔の左半分が腐敗し、口から出血していたアゴヒゲアザラシのナカちゃんの死を確認した。死因は不明。
ナカちゃんは昨年十一月、那賀川河口から約四キロ上流の中州に上陸しているところを発見され、愛くるしい姿で市の特別名誉市民になるなど人気者になっていた。
同本部は隊員八人を派遣し、死んでいるアザラシを確認。国土交通省那賀川河川事務所や市でつくる「ナカちゃんに関する行政連絡会」に連絡、とくしま動物園の城翠(もえぎ)獣医師らが足のけがのあとの特徴などからナカちゃんと断定した。
引き揚げられた死がいは阿南署に移された。二十八日午前、とくしま動物園で死因を調査する。また、行政連絡会は死がいの取り扱いなど今後の対応を検討することにしている。
ナカちゃんは二十四日午後四時ごろ、目撃されたのを最後に行方が分からなくなっていた。
ナカちゃんは昨年十一月二日早朝、旧那賀川町赤池の那賀川の中州に上陸しているところを住民に確認された。一躍町民のアイドルとなり、同町の名を全国に広めたとして住民登録され住民票も発行された。合併後は阿南市の特別名誉市民になっていた。
河川敷には県内外から大勢のファンが集まり、ナカちゃんソングや音頭、関連商品も次々登場。四月には寝返りをうった際に護岸ブロックのすき間にずり落ち、救急隊が出動する騒ぎに。六月には足にけがを負う事故も発生していた。
残念で仕方ない
岩浅嘉仁阿南市長の話 大変驚いている。特別名誉市民として市民に癒やしを与えてくれていたので残念で仕方がない。慰霊碑みたいなものを建てたいと思っている。
◆人気者「もう見られない」 突然の悲報、言葉失う
どうしてこんなことに-。昨年十一月に発見されて以来、愛らしいしぐさで住民を癒やし続けてきた那賀川の人気者アゴヒゲアザラシ「ナカちゃん」。二十七日、死骸(しがい)発見という突然の悲報に、阿南市民らは言葉を失った。現場周辺には住民ら百五十人が駆け付け、無事を願ったが、かなわず、深い悲しみに包まれた。
那賀川の中州に横たわったまま微動だにしないナカちゃん。川を挟んだ河川敷には午後六時すぎから、ただならぬナカちゃんの様子を聞きつけた住民らが続々と集まり、救出作業を見守った。「もうだめなの」。「早く何とかして」。暗闇が広がるにつれ、住民のいらだちが募った。
中州を照らす投光器が、ナカちゃんと消防隊員らの姿を映し出す。「何とか無事に」と祈る住民ら。午後九時ごろ、死が確認され、中州から死骸を載せたボートが河川敷に到着するとおえつが漏れた。
「かわいそうに。ごめんね」。涙を流しながら謝る女性。青いシートから出た足をさすりながら別れを告げる人も。住民たちはナカちゃんを載せたトラックが見えなくなるまで手を合わせた。
騒ぎを見て父親の三島敏明さん(34)と河川敷に駆け付けた長男佑太君(5つ)=羽ノ浦幼稚園=は「遠足で見たナカちゃんはかわいかった。もう見られなくなるなんて」と声を詰まらせた。
不測の事態に備えて七月、国土交通省那賀川河川事務所や県、阿南市などで行政連絡会を設け、危機管理対応案をまとめたばかり。河川敷を訪れた岩浅嘉仁阿南市長は「市民に愛されていたのに残念」と肩を落とした。
ナカちゃんパンを考案した阿南市富岡町内町の菓子店もみじや店長・岡沢孝浩さん(37)は「身内のように感じていたので何と言っていいか分からない。ショックとしか言いようがない」。
ナカちゃん音頭などを作った同市那賀川町赤池の吉岡真里さん(47)は「ナカちゃんが来るまで病気でふせっていたが、その姿に励まされ、元気を取り戻した。ナカちゃんが残してくれた元気をこれからも多くの人に伝えたい」と語った。
いかん、何故だか分からないけれど泣きそうになってきた・・・。
【状況報告】
平成18年8月27日(日)、ナカちゃんが那賀川右岸(河口から3.0km付近)の中洲にて怪我をしていると住民から連絡が有り、県立徳島動物園の獣医がナカちゃんの様態を確認し、21時00分死亡を確認しました。
【今後の対応】
28日(月)午前9時より徳島動物園へ移送し、死因の解明等を行うとともに、今後の対応について28日(月)午前10時より那賀川河川事務所において「ナカちゃんに関する行政連絡会」を開き、関係機関と検討する予定です。