まだある 生徒の大半が「必修」世界史を履修していなかった高校
富山県立高岡南高校で明らかになった3年生が地理歴史教科の必修科目を履修していなかった問題で、岩手県でも県立盛岡第一高校(鈴木文雄校長)と盛岡第三高校(井上節夫校長)の3年生らが同様に、地理歴史教科で必修の2科目のうち1科目しか履修していないことが25日、わかった。
いずれも補習などで対応することにしている。
全国津々浦々、まだ同じ事例がありそうです。
と言うか、不足のまま卒業した事例もあったりしそうな。
盛岡三高によると、同校では、3年生の全生徒321人が1科目しか履修していなかった。授業内容を記す生徒指導要録には「世界史A」を全員が履修したことになっているが、実際には、日本史Bや地理Bの1科目しか履修していない生徒がいた。逆に、世界史を選択した生徒は、ほかに日本史も履修したように指導要録に記載していた。
現在の2年生291人も、同様の措置を取っているという。
井上校長は「生徒の受験勉強に向けての負担軽減と他科目と関連する内容も教えるため、履修していない科目も単位に計算できると判断した」と説明している。
盛岡一高では、3年生322人のうち理数科の41人と普通科の理系クラス151人の計192人が、2年生の時に地理歴史教科1科目しか履修していなかった。
同校の板宮成悦副校長は「多くの理系の生徒の場合は、(地理歴史教科については)受験時に1科目しか必要がないので、履修も1科目だけにした方が効果が上がると考え、対応してきた」と話している。
学習指導要領では、2年生の地理歴史教科は、世界史、日本史、地理各A・Bの6科目の中で2科目を選択するが、世界史はAかBのどちらかが必修で、ほかに日本史か地理を履修することになっている。
あえて責任の所在を探るならば、
・校長
・教頭
・科長
・教務課
・その他
さて、どこに・・・?
〔追記〕(28日9時)
MSN毎日インタラクティブ
履修不足:全国7万人超 虚偽報告、文科省調査で97校
全国各地の高校での履修単位不足問題で、単位不足となっている生徒が7万人を超えることが27日、毎日新聞のまとめで分かった。全日制高校の生徒数は約337万人おり(今年5月現在)、その2%を占める。大阪や京都府でも新たに発覚し、これで41都道府県403校となった。また、文部科学省も同日までに、都道府県教育委員会や政令市教委から報告のあった単位不足高校の途中集計を発表した。それによると、単位不足となったのは計97校だった。一方、福島県の教育長に続き、長野県の教育長も、校長時代に単位不足を黙認していたことを認め、謝罪した。
文科省によると、同日午後9時現在で、島根県(19校)▽山形県(13校)▽京都市(1校)など46都府県・政令市から回答があった。97校の単位不足高校のすべてが、学校から教育委員会に提出する教育課程表と実際の履修が異なる虚偽報告を行っていた。虚偽報告の具体的な内容はまだ公表されていないものの、学習指導要領に定められた科目の履修を生徒にさせていなかったとみられる。文科省は具体的な内容を精査し、対応策などを検討する方針。
文科省は問題の全国的な広がりを受け、26、27日に各県教委などに緊急調査を求めていた。
一方、長野県教委の山口利幸教育長は、世界史などで履修不足が発覚した長野高で今年9月まで校長を務めていた。27日の会見で、05年の赴任当初から問題を把握していたことを認め、「生徒に近現代史を教える必要があると思いながらも、生徒の志望状況を考えると(未履修も)仕方ないと考えた。私にも責任がある」と釈明。「多くの校長が学習指導要領と受験制度にサンドイッチにされ、悩んでいる」と指摘した。
MSN毎日インタラクティブからもう一つ。
履修不足:350回の補習も 不安渦巻く生徒たち
受験を控えた高校3年生を巻き込んで、全国に広がった高校の履修単位不足問題。伊吹文明文部科学相は27日、「(単位不足の高校生に)特別な配慮は難しい」と補習授業を厳格に実施することを求めたが、岩手県には50分授業を350回も受けなければならない生徒たちがいる。「そんなに受けられるのか」「受験に影響する」。生徒たちには不安が渦巻く。一方、北九州市の高校では補習授業が始まった。【門田修一、念佛明奈、古川修司】
同日午前、伊吹文科相は「卒業証書を出すまでの間に学習指導要領に決めた通りの授業は受けていただく。特別な配慮は難しい。みんなが決めたルールを守るところから社会の秩序は成り立っている」と述べた。さらに責任の所在について「所管をしている教育委員会そのものに責任があるんじゃないか」と言及した。
こうした文科相の発言を受け、各学校は来年3月までに厳格に補習授業を実施する必要に迫られている。
しかし、盛岡市の私立盛岡中央高では、普通科特進コースの3年生51人の履修不足は10単位に上る。履修が必要なのは世界史B、家庭基礎、情報A、芸術の4科目。50分の補習を計350回受けなければ卒業できない。
対応策について、3年生は補習やリポートなどで補充する予定だが、生徒の負担を軽減する措置を検討中という。富澤正一校長は「学習指導要領にのっとらなかったことは悪かったと思っている。しかし生徒のためを思って、進路目標を達成させるためにやったことだ」と強調する。未履修科目の授業時間には受験に必要な科目の授業をしていた。少なくとも97年ごろから行っていたという。
女子生徒(18)は「仕方ないと思う。はっきり言って私たちの責任でもないです」。別の女子生徒(17)は「補習は受験が落ち着いてからやるという話もあるけど、国公立の後期は長引く。大学に合格した人と落ちた人がまた集まって一緒に補習するのは嫌だ」と話した。男子生徒(18)は「どこの学校でもやってたわけだし、大学入試制度が変わらない限りどうしようもない」と語った。
愛媛県立八幡浜高の普通科3年生198人は、世界史や政治経済など必修2科目で計140時間分を補習などで補う。国立大の推薦入試を受けるという理系の女子生徒(17)は「友達の中には負担に感じて泣いている子もいる。センター試験が終わった後に補習してほしい」と話した。同校は冬休みなどに補習を行うという。
一方、北九州市八幡東区にある私立の九州国際大付属高男子部は26日から、世界史や地理などの必修科目を履修していなかった3年生の補習授業を始めた。
同校によると、3年生322人のうち、社会系科目の補習が必要な生徒は150人程度、卒業には最低でも70時間の補習が必要という。今後は1日2時間程度の補習を実施し、受験シーズン前までに終了させる。
毎日新聞 2006年10月27日 22時38分 (最終更新時間 10月27日 23時27分)
こちらはasahi.com。
必修漏れ、41都道府県の404校に 政府は救済策検討
高校の必修科目の履修漏れ問題は28日未明、朝日新聞の集計で41都道府県の404校に広がった。政府は履修していなかった生徒に対する救済策の検討に入った。安倍首相は27日、「子どもたちの将来に問題が発生しないよう対応すべきだし、そのように指示をしている」と官邸で記者団に語り、文部科学省に検討を指示したことを明らかにした。これを受け、文科省は30日までに対策をまとめる。
首相は27日の講演で「大学受験に手っ取り早く対応できるために、こうしたことに走ってしまったのではないか。もう起こらないようにするにはどうすればいいか、教育再生会議で議論したい」とも述べ、防止策も検討する考えを示した。
27日に初会合を開いた与党教育再生協議会でも、履修時間の短縮など負担軽減策が必要だとの意見が相次ぎ、対策を30日までにまとめるよう文科省に求めた。
与党内からは、リポートを提出することなどを条件に、履修時間を特例として短縮し、履修したものとみなす――などの案が出ている。ただ、学習指導要領の形骸(けいがい)化につながらないよう、例外措置と位置づけることになりそうだ。同時に、再発防止策を早急に打ち出し、関係者の処分も含めて検討し収拾すべきだとの意見が強まっている。
朝日新聞の28日午前0時までの集計では、新たに30都道府県の151校で履修漏れが判明、これまでの総計で41都道府県の404校になった。一方、文部科学省も27日、各地の教育委員会を通じて行った調査の途中経過を発表。こちらは公立校のみが対象で、午後9時現在で、17都府県の97校となっている。
もう一つ。これもasahi.comより。
履修漏れ、調査書も虚偽 大学は入試でどう判断?
高校での必修科目の履修漏れ問題は、大学入試にも飛び火した。すでに来年度入学分の推薦入試を始めた大学もあるが、大学に提出する生徒の調査書(内申書)を偽ったと告白する高校も次々と現れている。
調査書には、生徒の各科目ごとの成績などが記されている。推薦入試では一般入試より内容が重視されることが多い。だが、「倫理を受けていない生徒の成績欄に実際に受けていた政治経済の成績を写した」(山梨県立甲府一)など、調査書そのものの信頼性が揺らぐ。
こうした事例に大学はどう対応するか。
早稲田大では、推薦入試の出願期間は多くの学部で終わった。履修漏れがあったとされる学校などに対しては、正しい調査書を再提出させるよう文書で求める方針を決めた。同大広報室は「合否は遅くとも12月には決まる。だが、それまでに高校が補習を終えるのは難しい。生徒が悪いわけではないし、履修していない部分は外して評価するしかないかもしれない」と話す。
慶応大広報室は「想定外の事態。通常は『卒業見込み』という調査書をもらったら、それを信じていた。対応を検討したい」とする。一部は来年度入学分の推薦入試が終わり、合格者も決まっている。こうした人をどう取り扱うかは未定だ。
国立大では11月から一斉に推薦入試の願書受付が始まる。静岡大入試課は「調査書には公印が押されているので、それに『卒業見込み』とあれば、信じるしかない」という。「それまでに調査書を書き直せと言えば、それこそ現場はパニックになる」
大学入試をにらみ、指針を定める教育委員会も出始めた。岩手県教委は提出期限が迫っている場合、偽った内容の調査書をそのまま提出することを認める方針を示した。大学などには各高校から謝罪させ、すぐに調査書を差し替えて送るという。提出済みの場合は、補習を受けることを記載した調査書を再提出させる。同時に、校長や教育長名の謝罪文も添付するという。
あーあ。なんでもあり、ですね。
〔追記2〕(28日17時30分)
asahi.comより。
履修漏れ、世界史必修化が契機か
高校卒業に必要な科目の履修漏れが相次いでいる問題で、多くの高校は90年代半ばか00年代前半のいずれかで、「偽装」を始めていたことが分かった。学校によって時期に若干のばらつきはあるものの、94年度から世界史が必修になったことと、02年度から公立学校の完全週5日制が導入されたことが大きなきっかけになったことがうかがえる。
北海道立旭川北では94年度から地理歴史で必修科目の時間に別の科目の授業を始めた。福岡県立鞍手は95年度から世界史を履修させていなかった可能性があるとしている。
履修漏れが目立つのは地理歴史だが、この94年度から、学習指導要領上、世界史を必修とし、日本史と地理のいずれかから選択して最低2科目を履修するという現在の形になった。世界史の授業をしなかったり1科目しか履修させなかったりしている高校の大半は、受験に必要ない科目を削ることでカリキュラムを受験対策へシフトさせたと見られる。
「偽装」を始めた高校はその後、いったん減るが、00年代に入って再び増え始める。岡山県立岡山城東は02年度から、滋賀県立の膳所と彦根東は03年度から、進学コースの85人で履修漏れが発覚した香川県の私立藤井も03年度に始めている。
02年度には、隔週の土曜が休みだった学校週5日制が完全実施となり、授業時間がさらに少なくなった。週6日制をとる埼玉県の私立高校の教頭は「うちは土曜日の午前を授業にあてている。受験対策を重視する学校では5日はきついだろう」と話す。いったん5日制にした後、6日制に戻した経緯がある東京都内の私立高校の教頭も「時間を工夫したいと考えて(偽装を)やってしまったのかも知れない。正直、気持ちはわかりましたね」と話している。
高校の必修科目の履修漏れ問題で文部科学省は28日、午前5時半現在のまとめで、履修漏れは32都道府県で計286校あったと発表した。兵庫県は調査が終わっていないため集計に含めておらず、今後、さらに数は増える見通しだ。私立は含んでいない。
まとめによると、岩手県が31校、北海道29校、長野県28校、静岡県20校などとなっている。286校のうち284校は教育委員会へ提出されていた教育課程と異なる授業が行われていた。
一方、朝日新聞の独自集計では私立を含めて41都道府県で400校を超えている。
この場合、先生方から、授業時間不足改善の提案が出ていないといけなかった。ちょろまかすんじゃなくて。
コメント by 奈菜 — 2006 年 10 月 30 日 @ 4:00 AM
そうそう。
ベクトルが、何もかも間違っていたような。
コメント by 番記者O — 2006 年 10 月 30 日 @ 9:20 AM