冷えた雑煮の具-しまばらガマダス阿波踊り大会を憂う-

以下は、私が初めて記すであろう、阿波踊りへの酷評です。

不本意なエントリーではありますが、あしからず。






10月15日、日曜日。

島原の空は、雲ひとつ無い。

時間を気にしながら、バスを待つ。

10時から行われるという「しまばらガマダス阿波踊り大会」の開会に間に合うかな?と思いつつ。


バスを降り、なんとなく歩いていくと、阿波踊りの幟が立っている。

地図を持っていなかったが、メイン会場である中央公園に辿り着いた。

時間は9時50分。開幕直前である。

さぞかし賑わっていることだろう、と思って公園を見ると・・・。


V6010036.jpg


・・・閑散としている。

公園の中央に少しばかりの舞台が設けられ、マイクテストが行われていた。

公園の緑地を囲む日陰に、近所の方々がぽつりぽつりと座っておられた。

ぞめきが、どこからも聞こえてこない。


V6010037.jpg


重ねて記すが、開幕10分前である。

始まりを今か今かと待ちわびる、あの夏の徳島の景色からは、あまりにも程遠い。


公園に連の姿が無いのならば、アーケード街で踊っているに違いない。

そう思い、アーケード街へ急ぐ。すると・・・。


V6010047.jpg


踊っている気配が感じられない。

時間は、もう10時。阿波踊りは、一体何処で行われているのだろう?

焦りを感じつつ、さらに歩く。

そのうちに笛の音が聞こえてきた。しかし、ぞめきとは違うメロディーライン。

そこに現れたのは、秋祭りの列だった。


V6010049.jpg


・・・何が起こっているのか、分からなくなってきた。

時間ばかりが流れていく。阿波踊りの連は、何処を捜しても流していない。

心は浮き立たず、急ぎがちになる足は次第に重くなっていく。


開幕予定の時間から、数十分。

アーケード街の果てから、ようやくかすかにぞめきが聞こえてきた。

よく見ると、そこには人だかり。


V6010050.jpg


ようやく、阿波踊りの連に巡り会うことが出来た。


V6010052.jpg


しかし、思いのほか小規模である。


V6010053.jpg


見たところ、2~3の連が固まって踊っているだけである。

ほかに、流している様子は無い。


V6010054.jpg


連がなかなか来ないので、アーケード街で多くのひとが連の流しを待っている。

いつまでも踊り込んで来ない連を、遠目で見ながら。


待つこと暫し、連が動き出した。


V6010055.jpg


連員構成上の事情もあるのだろうが、三味線の聞こえてこないぞめき。


V6010056.jpg


明らかに少ない、踊り手の数。

これは何かの間違いに違いない。そう、信じようとしていた。

そうだ、ビールを飲まずにいるから違和感があるのだ。ビールを飲もう。そうすれば、違和感が払拭されるはずだ。

そう思って、ビールを買いに向かった。


ビールを手に、中央公園へ。連が着いたのか、ひとが多くなっている。

まだ、遠巻きにしているひとが多かったけれど。


V6010058.jpg


MCの進行のもと、参加連が順次舞台へと上がっていった。


V6010061.jpg


参加した連は、僅かに6。「大会」には、程遠い。


V6010059.jpg


V6010064.jpg


V6010065.jpg


V6010067.jpg


V6010070.jpg


ステージの上で、次々と繰り広げられる踊り。

しかし、それは「乱舞」からかけ離れている。

そう、目の前で行われているのは、まるでご近所ののど自慢大会のような、発表会。

ビールを飲み続けているのに、酔いが醒めていくような気分。

仮に輪踊りをしていたとしても、加わる気にはなれなかったろう。


V6010072.jpg


徳島からも幾つかの連が招待されているはずなのに、どこにいるのだろう?

せめて参加連の数が多ければ、まだ盛り上がるであろうに。

MC自身は11回目の開催に感極まっていたが、継続だけでは力にならない。

「それは雲仙普賢岳噴火災害がキッカケでした」の様子は、蜃気楼なのだろうか?


そして、盛り上がりのポイントを見出せぬままに、表彰式が行われる。


V6010073.jpg


ささゆり連の細川連長が盛り上げただけの、フィナーレ。


V6010074.jpg


見ているひとは、知らぬ間に去っている。

幾つかの連だけが残った、宴のあと。


V6010048.jpg


今回、ささゆり連からは2人が参加されただけ。

ほかの徳島の連の姿は、ついに見ることが出来なかった。


昨年の大会は、10回目の節目で盛り上がったらしい。

今年の大会は、諸般の事情で参加連が少なかったらしい。


諸般の事情もある。参加連の数が減るのは、やむを得ない。

それならば、随所に貼られたポスターに、不参加となった旨を記すべきではないだろうか?


でも・・・。

事情、なんて関係無い。その年に訪れたひとにとっては。

その年の様子しか見ることが出来ないのだから。


暗澹たる想いで、中央公園から去った。

「島原温泉不知火まつり」の別会場である島原城に行ってみた。

正直、そこも惨憺たる有様だと感じた。

傍らで、観客まばらなライブ。

傍らで、出店数の多いとは言えない、フリーマーケット。

もはや、パレードを見る気にもならない。


まるで、雑煮のようだ。しかも、冷えきった。

いい具材が沢山入っている筈なのに、何を中心にしたのか分からない味付け。

冷えきってしまって、本来の味からかけ離れた、そんな雑煮。

「しまばらガマダス阿波踊り大会」は、冷えた雑煮の中に埋もれてしまっている。

しかも、煮詰まって、溶けてなくなろうとしている具のようだ。


例えば、パレードやフリーマーケットなどに人員を割かれるのであれば、開催時期をずらして阿波踊り単独開催とする方法もある。

もともとは盆踊りである、阿波踊り。

時期を前倒しすることには、違和感は無いだろう。


あくまでも「島原温泉不知火まつり」の中の催しとして継続するのならば、参加連を増やし、アーケード街も中央公園も連と観客で溢れるようにするべく、努力しなければならない。

10時開始を謳って、その10分前にまだ会場設営準備が行われ、しかも開始時間にはメイン会場に踊り手が全く居らず、どこで連が踊っているのかインフォメーションが為されないのでは、話にならない。

先達としての不知火連は、大きい存在であろう。

だが、閑散とした「阿波踊り大会」にしてしまったのは、島原の阿波踊り関係者に原因がある。

毎年、徳島を訪れてくれる不知火連が、秋風の吹く中に真夏の夜の熱気を持ち帰り、それを島原に伝えなければならないのではないだろうか?

ただ踊りが好きなだけでは、思いは伝わりきらない。


あたかも、所期の目的を達成し、消えなんとしているかのような、島原の阿波踊り。


島原は、美しいところである。


V6010075.jpg


その美しい島原のまちに、阿波踊りが存在する。

素敵なことに違いない。


美しいまちには、災害の爪痕が残っている。


V6010078.jpg


キッカケは、雲仙普賢岳の噴火。

噴火から年月を経て、空と大地にまぶしさを感じる。


V6010079.jpg


阿波踊りは、まぶしくあってほしい。

島原の阿波踊りは、その輝きを失っている。

少なくとも、県外からわざわざ見に行くには値しない。


輝くまでに、あとどれだけの時間が必要なのか、想像もつかない。

今でこそ盛り上がっている高円寺南越谷大和だって、時間をかけたからこそ今がある。


今年の「阿波踊りサミット」のテーマとなった、「原点回帰」。

島原の阿波踊りは、原点に回帰しなければならないような、そんな気がする。


思えば、10月15日は私の誕生日だった。

だからこそ、阿波踊りを見に行こうと思ったのが、今回の旅の原点だった。

そのことを思い出したのは、旅を終えてからのことだった・・・。

関連している?投稿@Simple Tags

Author: 番記者O on 2006年10月19日
Category: awa dance
タグ: , , , , , , , , , , ,
11 responses to “冷えた雑煮の具-しまばらガマダス阿波踊り大会を憂う-”
  1. 奈菜 より:

    煮詰まった雑煮は好きですねぇ。何が入ってるのかわからないのも好き。
    人がいなくなっていくさま、大変よく撮れています。(笑

  2. 番記者O より:

    あまり良い例えではないのでしょうけどね。

    本当は、一眼レフを持って行こうと思ったのですが、
    数年来使っていないのと重荷になるのが面倒で・・・。
    もっと異なる風景を撮ろうとしていたのですが(汗

  3. 番記者O より:

    ちなみに、こんな文も↓。

    市中心部のアーケードでは、しまばらガマダス阿波踊り大会があり、市内外の愛好グループがにぎやかに踊って歩き、祭りムードを高めた。
    http://onsen.topnetbiz.jp/2006/10/blog-post_17.html
    (原文は長崎新聞?)

    その他、大会終了後に桜の植樹があったという記事↓
    http://www.shimabara.jp/news/2006/10/blog-post_17.html
    も見えます。

    参考まで。

  4. SR16M4 より:

    初めまして。素晴らしい考察ですね。
    私も常々、不知火まつりの意義とは何なのか非常に疑問に思っております。
    毎年、同じパレード。やる気のない市職員。税金が無駄に浪費されていくだけのようなむなしい気持ちにさえなります。
    ところで島原鉄道の「のってのって券」というものが不知火祭り当日に販売されているのをご存じでしょうか?定額でバス・フェリー乗り放題というありがたいものですが市内の人間はこの券を購入して祭りに参加せずに熊本に行ったり雲仙に温泉につかりに行っております。(;´д`)トホホ
    ところで阿波踊り大会・・・暑かったですね。・・・(゜_゜i)タラー・・・
    何回か見てますが今年はますますだめだめでした。そろそろ抜本的に改革すべき時期なんでしょうね。私としては夏の夜にするのが一番ベストだと思うんですけどね。

  5. SR16M4 より:

    補足です。こんな阿波踊り大会でも楽しみにしている人もいるんですよ~。まあ、少人数ですけどね。ヽ( ̄▽ ̄)ノ ナハハ♪
    テレビで色々な地方の祭りをよく見ますがやっぱり祭りっていうのは夜にやるのが一番じゃないかなあと思うのですが・・・如何でしょうかね。
    来年はどのようになるか注目していてくださいね。あっと驚くサプライズがあるか、もしくはこのまま廃れていくのか?要注目です。では、さようなら。

  6. 番記者O より:

    素晴らしい考察、だなんて恐れ入りますです・・・(汗  >SR16M4さん
    阿波踊りを好きであるが故に、何やら想いばかりが先行して記してしまった次第です。

    昼に行われるなら、それはそれでいいと思うのです。
    現に、徳島でも昼からちらほらと踊りが見られますから。
    記録上も、どうやら明るいうちに踊られているようですし。

    初日の17時30分に一度目の合図の花火(音)が上がり、
    毎日18時00分にまた花火(音)が上がり、
    夕日の射す中で踊りが全開となる夏の徳島を思えば、明るくともよいかと。

    SR16M4さんは、阿波踊りの記録をご覧になられたことがありますか?
    例えば、(当時決して良いものとは思いませんでしたが)NHKハイビジョンの放送。
    夕暮れ時の、有名連の踊り。
    或いは、今年行われたアーケード街での昼の踊り。
    夜こそ盛り上がるとしても、昼でも盛り上がり得ないことはない、と思うのです。

    勝手、ついでに一つ。
    実は、「にわか連」の存在が盛り上がりを支えるのではないか?と思うことがあるのです。
    徳島でも、
    ・実行委企画の「にわか連」
    ・ゲリラライブでの輪踊り(例:柳町春雨ライブ)
    ・連の輪踊りでの乱入(乱入の可否は連によりけり/城北連など『一緒に踊ろ』と目安を掲げる連もあり)
    など、「踊り手と観客」を超えさせる「にわか」の存在があるのです。
    何やら、踊り手と見る側との間に溝があるかの如き島原。
    にわか連的イベントを企画するのも一つの手かと・・・。

    正直なところ、代価を支払ってでも有名連を複数誘致しなければ盛り上がらないのではないかと、思ってしまうのです。
    招待も、一つの手です。
    でも、何故島原で阿波踊りが行われるのか?
    その原点に帰り、考えていただきたいのです。

    単に、祭りに花を添えるだけの阿波踊りでいいのか?

    ささゆり連の方の手を取って、阿波踊りを見たかったと言われた方の想いをどう思うのか?

    夏の夜の開催の場合、徳島を含めて高円寺その他微妙に開催時期をずらしています。
    練習時期とも併せ、どうするかまで考えなければならないような気がします。
    尤も、本場徳島を知らない関東の連が殆どな訳ですが。

    別件ですが、島鉄の営業施策もどうかと。
    ご指摘の乗車券、14日の夕刻に列車内で知りました。見ず知らずの、相席の方から。
    しかも、販売は13日まで。14・15両日に訪れた観光客は、その存在を現地で初めて知る訳でして。
    限定販売で射幸心をあおり、本来の目的外で使用されるというありがちなパターンかと。
    数値を上げるだけで、祭りには関心が無いと思わせるような。

    あ、いかん。好きに述べ過ぎました(汗
    法的手段に訴えられるようなら、削除しようかと(汗

  7. SR16M4 より:

    こんばんは、番記者さん。
    徳島には何度か足を運んだことがありますが今でもその熱気と興奮を忘れることができません。
    NHKの特番なんか見てると阿波踊りの季節には観光客が130万人くらい来るそうですね。いやはや、すごいです。
    私の住んでる地域でもヨサコイ祭りなどやっていますがやっぱり阿波踊りが一番だと思います。
    島原の阿波踊り大会の実行委員会の皆様も色々と苦労が多いとは思いますが毎年同じことの繰り返しでは飽きられてくるのもしかたないのかなと思います。
    不知火祭りもそうですがもうすこし地域の住民が一丸となって盛り上げていかないとほかの県からの観光客など見に来ないでしょうね。費用対効果が無い祭りなど税金の無駄遣いの何者でもありません。(聞くところによるとパレードだけでも数百万円の費用がかかっているようですね。)
    改革する勇気も大事ですが少し立ち止まって考える勇気も大事だと思います。誰も見にこないパレードにお金をつぎ込むのであればお客を呼べるようなものに金をつぎ込むべきでしょうね。(たとえば徳島の有名連を招待するとか・・・。)
    何にしろ不知火連の実行委員会は今の現状を直視してどうすれば盛り上がるのか考えた方がいいと思います。
    以上が島原を愛する小市民の考えです。生意気なことばかり書いてすいません。
    では、さようなら。

  8. 番記者O より:

    SR16M4さん、書き込み有難うございます。

    阿波踊りの開催組織がどのようになっているかは存じませんが、このエントリーをもとにご一考いただけるなら(重ねて記しますが、不本意なエントリーでありつつも)幸いではあります。

    これも既出ではありますが、
    継続だけでは力にはならない、と思うのです。

    何故、ささゆり連の踊りと出会ったのですか?
    何故、ささゆり連が島原で踊ったのですか?
    何故、

    そして締めくくりで踊った最後の湊商店街、1時間以上も待たせたお客様に充分満足してもらい、踊り終わって疲れ切り“ホッ”として休んでいるささゆり連女踊りの彼女たちに、そっと近づく80才くらいの島原のおばあちゃん。

    「ありがとうね!わたしゃ1回でんよかけん、本物の阿波踊りば見たかと思ちょった。ばってん、この年やけんあきらめちょりました。そん変わし普賢さんの噴火さしたお陰で、あーた達の来てくれらして、ほんとん阿波踊りば見せちくれらした、ほんて嬉しか。よか冥土のみやげのできました」
    と言いながら、女踊りの彼女たちの手を取り、ボロボロ涙を流します。

    こんなシーン(http://tabasco-pepper.com/log/eid1303.html)があったのですか?

    SR16M4さん、貴方が謝る必要はありませんよ。
    むしろ、こんなエントリーを記した私が・・・。

    実情を知らず、ひとり妄想を抱いて訪れて、
    実情を目の当たりにして勝手に「裏切られた!」と思ってエントリーを書きなぐった私に・・・。

    あ、あと書き忘れていたことがひとつ。
    島鉄の乗車券。
    開催当日(前夜祭の日を含む)に発売する分だけ数百円値上げして、
    前売800円/当日1000円+αとするのはどうでしょう?
    諫早で、遠目にそんなことが記されているのを見れば売り上げも客足も増えそうな気が・・・。
    って、勝手なことを再々記してすみませぬ。

    部外者の勝手、ばかりで申し訳ありません。

    でも、阿波踊りが消え行くのは、耐えられない。

    「阿波踊りサミット」で、こううかがいました。

    高知で「よさこい」が始まったのは、
    なんとしても「阿波踊りには負けられない」という思いから

    と。

    ライバル視とか、敵対視とか、それはどうでもいいのです。
    その地域の事情とか、ましてそれはどうでもいいのです。

    「何故、阿波踊りなの?」

    それを、島原のひとに考えていただきたい。

    そう、思うのです。
    支離滅裂にて申し訳ございません(汗

  9. 番記者O より:

    画像のサイズを調整しておかないといけないかもですね・・・。

  10. 奈菜 より:

    気にしな~い。
    どうせ、テンプレートいじりまくるし。

  11. 番記者O より:

    了解ですー。

Leave a Reply

Last articles